CRMやSFAを利用している企業も増えている中、顧客データベースが綺麗に整備されておらず、痛い目にあったなんて方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ツールは様々ありますが今回は顧客情報を管理する上で最も大切な”名寄せ”や”データクレンジング”についてご紹介致します。
名寄せ・データクレンジング不備でトラブルが生まれる?
営業Aさんが自社の顧客データベースをもとに営業活動を行い、とある企業の担当者Bさんにサービス紹介を行ったところ、商談相手の機嫌を損ねてしまう、という事態が起こりました。
実はAさんと同じ部署のCさんが2週間前に既に同じサービスを紹介していたのです。
Cさんは訪問内容を顧客データに記録していたものの、Aさんは同名企業でも別の顧客データを参照していたために、直近の訪問に気づくことが出来ず、営業バッティングが起きてしまいました。
このようなトラブルは顧客データベースの整備・メンテナンス=名寄せ・データクレンジングを怠っているために起きてしまう現象です。
営業マンが気持ちよく営業活動を行う、顧客データをマーケティング施策に活用するためにもトラブルが起きないような適切な顧客データベースの管理が求められます。
では具体的に名寄せ・データクレンジングとはどのようなものなのでしょうか?
名寄せとは
名寄せとは重複する顧客データを1つの顧客データに統合・まとめる作業を指します。
ほとんどのCRMやSFAには標準実装されており、手元の顧客データベースに新たな顧客データを追加登録する際に利用します。
具体的には顧客データの中に含まれている特定の項目を「名寄せキー」として指定します。(会社名やメールアドレスなど)
そして手元の顧客データベースに新たに取り込む顧客データをぶつけ、名寄せキーが合致しているか否かでデータが重複しているかどうかを判断します。
<名寄キーに一般的に利用される項目>
・会社名
・氏名
・メールアドレス
・電話番号
・住所
名寄せキーに合致しなかった場合
手元の顧客データベースに存在しない新規データとなるので顧客データベースに新規登録されます。
名寄せキーに合致した場合
新たに登録する顧客データは登録しない、または新たに登録する顧客データで(手元の顧客データベース内にある)顧客データを上書き登録する、など顧客データが重複登録しないようデータを合体させます。
どのような項目を名寄キーに設定するかでデータ管理の方法も異なっりますが、綺麗で活用可能な顧客データベース構築には必須の仕組みと言えます。
データクレンジングとは
データクレンジングとはその名の通り「データを洗浄する」という意味の用語です。
顧客データベースの中から不要なデータを検知し、削除や修正を行います。
利用手法としては”名寄せキーをすり抜け”、同姓同名のデータが重複登録されてしまった場合にデータベースをメンテナンスするために用いられます。
名寄せキーがすり抜けるってどういうこと?
一例として下記の担当者情報が顧客データベースに登録されており、
名寄せキーが「E-mail」となっている条件のもと解説いたします。
■担当者情報
会社名:株式会社インターパーク
氏名:デモ太郎
E-mail:[email protected]
部署:クラウドサービス事業部
役職:主任
この状態で新たにHPからデモ太郎さんからお問合せがくるとします。そして受け付けたお問合せ内容に入力されている情報は下記です。
■担当者情報
会社名:株式会社インターパーク
氏名:デモ太郎
E-mail:[email protected]
部署:クラウドサービス事業部
役職:主任
名寄せ上は既に登録されている「[email protected]」というアドレスが「株式会社インターパークのデモ太郎」という認識を行いますがお問合せに記載されているE-mailは「[email protected]」と異なっています。
そのため、お問合せ内容をシステムに登録すると既存データとして存在するデモ太郎さんとは別データとして認識し、新たに新規登録してしまいます。
このように名寄キーをすり抜け、同姓同名の顧客データが重複登録されるケースは珍しくありません。
そのため名寄せだけでなく、顧客データベース自体をメンテナンスするデータクレンジングが必要となります。
まとめ
如何でしたでしょうか?
顧客データベースがしっかりと管理されていなければ営業・マーケティング活動において常に不安がつきまとってしまいます。
自社の管理に不安があるという方は一度どんなルールで名寄せ管理をしているのか、重複したデータの扱いはどのようになっているのか、確認してみるのが良いかと思います。